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幹細胞培養上清液の濃度が高いほど、ヒト表皮細胞の活性効果が高くなることを確認

ヒト幹細胞培養上清液(以下、培養上清液)で様々なサービスを展開するBYINA株式会社(本社:東京都中央区、代表:上野 ナツヒ)は、国内提携ラボで製造及び精製を行っている幹細胞培養上清液の濃度と細胞活性との関係性を検証するため、「細胞遊走性(*1)実験」を行い、幹細胞培養上清液の濃度が高くなればなるほど、細胞活性が高くなることがわかりました。

国内提携ラボにて、自社培養の幹細胞培養上清液

 

■培養上清液に含まれるサイトカインの働きの1つ、体内の幹細胞を必要な場所に誘導する「遊走性」

 

体性幹細胞には破壊もしくは傷ついた組織や、臓器自体に存在する幹細胞本来の機能を呼び覚まし、その周りに存在する幹細胞を誘導し、損傷部位に幹細胞を集めて増殖させるといった働きがあります。

培養上清液を添加することで、実際に組織中の細胞遊走を活性化しているのか、また培養上清液の濃度が高くなることで細胞活性度合いが高くなるのか、その相関性をBYINA研究所にて検証しました。

 

■実験目的

培養上清液を添加した細胞群と添加していない細胞群において、ヒト表皮細胞の移動の速さ(遊走*1)の違いを検証するために実施。

 

■実験の方法:細胞遊走実験

 

「創傷治癒アッセイ」=細胞培養状況下において、細胞が存在しなくなった箇所に細胞が遊走する経時的変化を観察し、細胞の遊走や増殖を評価する方法です。

創傷治癒アッセイ

 

■培養上清液の添加濃度別 細胞遊走実験の結果

 

<実験1>

①添加無し(Ctrl)

②培養上清液20%添加

 ・24時間後、「①添加なし(Ctrl)」と比べて1.9倍の遊走能が見られた。

 ・48時間後、「①添加なし(Ctrl)」と比べて2.1倍の遊走能が見られた。

③培養上清液25%添加

 ・24時間後、「①添加なし(Ctrl)」と比べて2.2倍の遊走能が見られた。

 ・48時間後、「①添加なし(Ctrl)」と比べて2.2倍の遊走能が見られた。

 

<実験2>

①添加無し(Ctrl)

②培養上清液5%添加

・48時間後、「①添加なし(Ctrl)」と比べて、1.1倍の遊走能が見られた。

・72時間後、「①添加なし(Ctrl)」と比べて、1.2倍の遊走能が見られた。

③培養上清液10%添加

・48時間後、「①添加なし(Ctrl)」と比べて、2.4倍の遊走能が見られた。

・72時間後、「①添加なし(Ctrl)」と比べて、2.7倍の遊走能が見られた。

④培養上清液25%添加

・48時間後、「①添加なし(Ctrl)」と比べて3.2倍の遊走能が見られた。

・72時間後、「①添加なし(Ctrl)」と比べて3.7倍の遊走能が見られた。

⑤培養上清液80%添加

・48時間後、「①添加なし(Ctrl)」と比べて6.7倍の遊走能が見られた。

・72時間後、「①添加なし(Ctrl)」と比べて8.7倍の遊走能が見られた。

 

■細胞遊走実験動画

なお、幹細胞培養上清液添加なしと、80%の濃度で添加したときに、どれだけ細胞が活性化するのか、下記動画で比較いたしました。
※こちらで限定公開※

 

■細胞遊走実験の結果1、結果2から言えること

上記<実験1><実験2>から、幹細胞培養上清液はヒト表皮細胞の遊走活性を促すこと、さらに濃度が高くなればなるほど、細胞活性が高くなることがわかりました。当社では、今回の実験結果を生かしたスキンケア製品の開発と、さらなる研究を進めてまいります。

 

*1 「細胞遊走(セルマイグレーション:cell migration)」とは、細胞が元いた場所から他の場所に移動することを指し、細胞移動とも呼ばれます。たとえば、表皮にできた傷が治癒する「創傷治癒(ウンドヒーリング:wound healing)」の過程において、この細胞遊走が見られます。

 

*2 細胞を培養するために、まずはそれぞれの培養に適した温度・湿度・気体組成を整えることが重要となります。細胞はインキュベーター(培養器)と呼ばれる機器の中で培養されます。インキュベーターとは、細胞の生育を安定させるため、空気調整及び保湿機能がついた機器です。